国外留学生の声

国外留学生の声

国外留学生の声

山田貴之

横浜市立大学循環器・腎臓・高血圧内科から2018年7月よりNYのMount Sinai Beth Israelで内科レジデントとして留学しております。
以前より医学教育に興味があり、米国の医学教育システムを学びに臨床留学させていただいております。
Mount Sinai Beth Israelはマンハッタンの南部にあるIcahn School of Medicine at Mount Sinaiという大学の関連病院です。
内科レジデントとして病棟、外来、ICUなどをローテートしております。
レジデント、インターン(1年目レジデント)、医学生で構成されるチームをアテンディング(指導医)が教育しながら診療にあたるシステムで日々診療に従事しております。
インターンは特に朝が早く、毎朝6時過ぎには病棟に向かって患者さんのプレラウンドをする必要があります。
朝早く起きなければならない上、文化・言語・薬剤名など全てが異なる環境はしんどく、レジデンシー開始数ヶ月は大変でしたが、優しい同僚・先輩(当院で働いている日本人の先輩には特にお世話になりました)のおかげでなんとか慣れることができました。



ICUローテ中の後輩との1枚。世界中からレジデントが集まってきます。
毎日回診でアテンディングからのティーチングがあるほか、毎日お昼12時にNoon conferenceがあり、内科レジデントに必要なトピックのレクチャーなどもあります。
日本に比べて教育の機会が充実している他、教育が診療の一部として定着していることを実感します。
2年目になり自分が教育する立場になると、必然的にClinical questionに対して論文を調べて後輩に紹介する機会も増え、自分にとってもいい勉強になると毎日感じております。
臨床のみならず、研究をしたい人にも恵まれた環境です。私は本院の研究室のボスと連絡を取り、メタ解析などの臨床研究を勉強させていただいております。
日本人の同僚も研究を積極的に行っており、気軽に研究のネタや解析の方法などを相談できる人が身近にいるので、有り難い環境にいると感じております。
また学会参加も応援してくださり、本当に助かっております。


2019年のASN Kidney Weekにも参加させていただきました。
同僚は本当にいい人が多く、仕事以外でも食事をしたり飲みに行ったりと仲良くさせてもらっています。
また日本人の同僚・先輩は優秀な方ばかりで、仕事のことから研究の相談に乗ってもらったり、オフに食事しながら雑談したりと良くしていただいています。


同期と地中海料理を食べに行った際の一枚。みんないい人ばかりです。
ニューヨークの街も大変面白い場所で、食事・芸術・スポーツなんでも楽しむことができます。
こちらに来て地中海料理の美味しさを知ることができました。
ただやはり日本食が恋しくなるのは日本人の性で、ついラーメンを食べたくなります。
ニューヨークのラーメン屋さんはレベルが高く、日本でも人気になるであろうお店が多くあります。
日本人の同僚から圧倒的な人気を誇るのはRamen Ishidaでしょうか。トリュフの香りが立つ醤油ラーメンは絶品です。
芸術ではメトロポリタン美術館などの美術の他、ミュージカル、ジャズなど目白押しです。
特にジャズはあちこちにジャズバーがあり、30ドル程度で素晴らしい演奏を聴くことができます。
またマンハッタンから1時間ほど足を伸ばせば自然豊かな山々が広がります。お休みの日にハイキングに行くのもまた楽しみの一つです。


Ramen Ishidaの醤油ラーメン。何度食べても飽きが来ない絶品です。
あまりオフのことばかり書くと真面目に働いていないと思われかねないのでこのくらいにしておきます。
ニューヨークの地で有り難い人生経験をさせていただいております。
日本の医療に少しでも貢献できる人材となるべく精進を続けてまいります。
最後になりましたが、私を快く留学に送り出してくださった田村教授はじめ指導医の先生方、誠にありがとうございます。

峯岸慎太郎

2018年3月からシンガポールのDuke-NUS CVMD(Cardiovascular and Metabolic Disorders)に留学している循環器内科グループの峯岸です。
留学経緯、海外生活、研究についてご紹介します。

2005年に宮崎大学を卒業し、初期臨床研修を修了後、第二内科に2007年入局し、国際医療福祉大学熱海病院で循環器診療に従事し、2009年に大学院へ入学しました。
博士課程では石上友章准教授のご指導で、食塩感受性高血圧症におけるユビキチン化酵素であるNedd4-2の分子病態生理に関する研究を行い、2013年に医学博士号を頂きました。
院卒後、大森赤十字病院で循環器診療に従事しながら研究を継続させて頂き、2015年に助教(救急部)として大学病院に戻り、2016年に第39回日本高血圧学会(JSH)総会にてJSH Young Investigator’s Award 最優秀賞を頂きました。
食塩と高血圧症に関する研究を深化させたいと考えていたところ、石上友章准教授と香川大学薬理学西山成教授からご支援を頂き、現在の留学先であるJens Titze先生をご紹介頂きました。
2017年より神奈川県立循環器呼吸器病センターで医長として循環器診療に従事しながら留学準備を進め、日本心臓財団・バイエル薬品海外留学助成ならびに公益信託循環器学研究振興基金を獲得し、同年に第二内科同門会賞優秀賞も頂くことができ、2018年3月からDuke-NUSにて研究を開始しました。

シンガポールはマレーシアの南に位置する都市国家で、世界的な金融センターになっており、ASEANの中でも著しい発展を遂げています。
熱帯気候に属し、多様な文化が存在し、外国籍が多いのが特徴で、英語+母語の二言語政策です。


1965年に建国した若い国で、毎年大々的にNational dayを祝ったり、秋にF1が開催されたりと陽気な国です。

今回の留学は、私だけでなく、妻(峯岸薫;横浜市大第一内科 膠原病内科)も留学助成金を得て、同じ研究室で研究(臨床研究)に従事しました。
共働きでまだ小さな双子を連れての留学でしたので、渡星後しばらくは大変でしたが、子供達は元気に成長し、家では日本語、Child careでは英語と中国語を学ぶことができました。

Duke-NUSは米国Duke大学(世界大学ランキング20位(THE2020))とNUS(シンガポール国立大学、世界大学ランキング25位(THE2020))が提携して設立された研究に重点を置いた施設です。


大学の国際化がメガトレンドですが、シンガポールでは英語授業が行われ、海外教員や留学生の受け入れが盛んで、研究開発に積極的な投資をしており、世界中の有力研究者が集まっています。
近年のNUSの世界大学ランキング上昇も、国際化に先行しているのが大きな要因の一つではないかと思われます。
PIのTitze先生はドイツ出身の内科医で、一貫して生体の電解質・体液調節機構や高血圧を中心とした研究をされており、皮膚局所における塩の蓄積が全身の電解質・体液の恒常性維持に関連していることを発見し、循環代謝領域を中心とした研究分野で活躍されています。
基礎研究のみならず、組織ナトリウムイオン含有量の測定を可能とする23Na-MRIの技術を開発して臨床研究も展開し、新しい概念の検査・治療法の開発につながる研究を推進されています。
サイエンスにおけるコミュニケーションを大事にされており、各領域の共同研究者と世界規模の研究ネットワークを構築されており、研究成果はJCI、Cell Metabolism、Nature Medicineなどの一流紙に掲載されています。

留学当初は英語に苦労しましたが、実験のみならず、データの取り扱い、分析についても段階的にご指導頂き、Titze先生とディスカッションを重ねることで、プレゼンテーションについても学ぶことができました。
特にラボミーティングでは、他の研究室のメンバーが加わることが多く、研究内容のより深い追究が行われ、日々新たな発見があり、大変勉強になっています。
これまでの研究活動を通じて、観察された個々の事象を科学的な見方や考え方へと変容させていく過程における、先鋭的な研究者との建設的なコミュニケーションの重要性を実感するようになり、海外留学での経験が非常に有意義であると感じております。

Titze先生の研究内容に関しては、2019年に本学ヘボンホールにて第206回横浜市大医学会講演会(担当教室:血液・免疫・感染症内科学/循環器・腎臓・高血圧内科学)でSodium and Water Metabolismに関して講演して頂きました。
また、研究内容の一部は、私も英語論文や商業誌で執筆しましたので、宜しければご参照下さい。

第二内科の診療・研究・教育体制のおかげで、循環器臨床に携わりながら、本格的な研究テーマに取り組むことが出来ております。
田村功一主任教授・石上友章准教授ならびにご尽力いただいた教室の先生方に心より御礼を申し上げます。
また、教室に少しでも還元できるような仕事を行っていきたいと考えております。

当教室大学院(病態制御内科学)への見学・入学を希望される方は、

横浜市立大学医学部 循環器・腎臓・高血圧内科学教室

田村 功一  
Kouichi TAMURA, MD, PhD, FACP, FAHA, FJSIM
横浜市立大学医学部 循環器・腎臓内科学 主任教授
横浜市立大学大学院医学研究科 病態制御内科学 教授
横浜市立大学附属病院 腎臓・高血圧内科 診療科部長


〒236-0004 横浜市金沢区福浦3-9 A365
TEL:045-787-2635
FAX:045-701-3738

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