教授挨拶

教授挨拶

ともにめざそう! “心血管腎臓病”病態連関制御を通じた”From molecules to the whole body, and to the Society”実現のための横浜・神奈川発のエビデンス創出

循環器・腎臓・高血圧内科学教室のホームページへ、ようこそ! 循環器・腎臓・高血圧内科学教室では、1853年黒船来航の横浜・神奈川の歴史に根ざす「門戸開放」、サイエンス・アカデミアの高みをめざす「研究重視」、 地域貢献重点の「患者第一」を理念としています。
そして、循環器・腎臓・高血圧内科学教室のモットーは、『ともにめざそう! “心血管腎臓病”病態連関制御を通じた”From molecules to the whole body, and to the Society”実現のための横浜・神奈川発のエビデンス創出』です。
平成28年(2016年)10月1日付にて主任教授に就任いたしましてからもうすぐ4年になろうとしています。
この間の皆様からの有形無形の心強いサポートや叱咤激励には只々感謝申し上げます。
 
さて、循環器・腎臓・高血圧内科学教室の前身である内科学第2講座(第2内科学教室)は1955年守一雄初代教授に始まり、1973年に就任の金子好宏第2代教授らが1978年に日本高血圧学会を創立し、1987年就任の石井當男第3代教授、1998年就任の梅村敏第4代教授へと高血圧をはじめとした循環器病・腎臓病の臨床と研究の発展が引き継がれ、前任の梅村敏教授の在任中に循環器・腎臓内科学教室(病態制御内科学)となりました。
そして、私の着任後、当教室が目標として掲げる「”心血管腎臓病(病態連関病)”に克つための臨床・教育・研究・地域貢献・行政連携」をより明確にするために、 2017年7月からは、当教室名を、「循環器・腎臓内科学教室(病態制御内科学)」から、現在の『循環器・腎臓・高血圧内科学教室(大学院医学研究科 病態制御内科学)』に改めるに至っています。

私は本学昭和63年卒業ですが,医学生時代には,当時実家のありました蒲田から大学までの通学の往復の電車内で”Harrison’s Principles of Internal Medicine, 10th edition”を読破し学問としての内科学への探究心が膨らむのを強く感じ、また、浦舟の旧校舎での医学祭実行委員長を担当して“社会的”経験を積むとともに、バドミントン部、ラグビー部で体を鍛えつつ”One for all, all for one”の重要性も学びました。
将来内科学専攻を視野に入れている医学生の諸君には、是非医学生時代には心身ともに鍛え、かつ、Harrison's Principles of Internal Medicine やGoldman-Cecil Medicineなどの内科学の英文原書も活用して勉強いただければと思います。

大学卒業後、浦舟町の横浜市立大学医学部病院の第二内科、第一外科(一般外科、心臓血管外科)、横浜市南部病院循環器内科、 横浜市立市民病院麻酔科で6ヶ月ずつ臨床研修を行ってから石井當男教授時代に当教室に入局して本学大学院に進学しました。
大学院入学後は、循環調節系レニン-アンジオテンシン(RA)系の分子生物学的研究の指導を受けるために筑波大学農学研究科村上和雄教授(後に学士院賞受賞)、 深水昭吉講師(後に教授)の研究室へ特別研究学生として国内留学し、農学部の学生、農学研究科の修士課程・博士課程大学院生とともに、大腸菌、酵母、培養細胞、実験動物を用いて、 循環調節系RA系の構成因子で当時単離・同定されたばかりのレニン遺伝子やアンジオテンシノーゲン遺伝子の転写調節機構の解析などの分子生物学領域の基礎研究に没頭しました。
大学院修了後も日本学術振興会特別研究員(PD)として筑波大学で習得した分子生物学的実験解析手法や循環系遺伝子発現改変マウスを当教室に導入し、 循環調節系遺伝子発現調節及び受容体情報伝達系の基礎研究を続けました。
筑波大学では村上和雄先生から、研究を進める上での“From molecules to the whole body”の重要性を学ぶことができ、現在のモットーの基礎となっています。

その後日本学術振興会海外特別研究員として当時Harvard大学医学部Victor Dzau教授(現在、米国医学アカデミー会長: President of National Academy of Medicine)の研究室に海外留学し、 『The Cardiovascular and Renal Continuum』制御と源流としての高血圧を中心とした生活習慣病対策の重要性を学びました(図1)。
また、循環調節系遺伝子発現調節・受容体情報伝達系の解析、動脈硬化症に対する遺伝子治療研究、および新規受容体結合性機能制御因子(ATRAP)の単離・同定研究に従事しました。
帰国後は藤沢市民病院での地域医療・救急医療に従事しながら常田康夫先生(藤沢市民病院院長)の指導を受け、現在当教室で鋭意推進している厚生労働省先進医療B研究や血圧変動を軸にした包括的臨床研究の端緒をつかむことができ、大学に復帰後現在に至っています。
(図1)

現在、教室の研究グループの一つ(GR)では、1)新規に同定された受容体結合性機能選択的制御蛋白、血管新生因子に着目した心血管腎臓病の病態解明および革新的治療戦略研究、2)治療抵抗性の重症動脈硬化症に対する血液浄化療法を応用した血管内皮細胞活性化治療による先進医療戦略研究、3)心血管腎臓病に対する血圧変動を軸にした包括的治療戦略研究、を中心に研究展開を図っています。
そのような研究展開により、文部科学省・日本学術振興会科学研究費、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)などの公的競争的研究費、民間学術財団の競争的研究費を獲得し、また、国内外企業との共同受託研究・産学連携研究の推進を展開しています。

私どもの循環器・腎臓・高血圧内科学教室に関連する代表的な疾患は、脳心血管病、腎臓病、高血圧です。
国内での脳心血管病による10万人当たり死亡数は約246人で悪性新生物の298人に匹敵し(厚生労働省平成28年人口動態統計)、 慢性腎臓病の罹患患者数も1330万人で成人の8人に1人(日本腎臓学会CKD診療ガイドライン2018)、 高血圧の罹患患者数は4300万人で成人の2.5人に1人(日本高血圧学会高血圧治療ガイドラインJSH2019)であり、当教室は三大国民病に対峙していると言っても過言ではありません。
そして、脳心血管病、腎臓病、高血圧の三つの病態は、病態機序のレベルで互いに密接に関連し、また、同一の患者に併存する場合も多いことが特徴です。
したがって、これら三つの病態は、一体的に”心血管腎臓病(病態連関病)”として捉えるべきであり、 各病態に対する個別的対応とともに、”心血管腎臓病(病態連関病)”に対する包括的対応が極めて重要であると考えています(図2)。
そこで、当教室が目標として掲げる「心血管腎臓病(病態連関病)に克つための臨床・教育・研究・地域貢献・行政連携」をより明確にするために、 当教室名を『循環器・腎臓・高血圧内科学教室(大学院医学研究科 病態制御内科学)』としています。
(図2)

したがいまして、当教室運営にあたりましては、横浜市立大学および附属病院・センター病院の一体的な管理運営を心掛け、“One for all, all for one”の精神で、 『大学院医学研究科 病態制御内科学』としての質の高い基礎研究・トランスレーショナル研究・臨床研究を推進し、サイエンス・アカデミアの高みをめざします(図3)。
(図3)


また、『循環器・腎臓・高血圧』の専門医として“心血管腎臓病すべてに克つ”ことを目標に掲げ、横浜市・神奈川県、 そして日本の循環器・腎臓・高血圧内科学領域の診療と研究のさらなる向上・発展に貢献し、また、 地域貢献,行政連携を心掛けるとともに,国際化を推進し世界へ向けての情報発信を積極的に行っていく教室とすべく、 これからも教室員・同門会員の皆様一同と一丸となって日々努力していく所存です。

  心血管腎臓病に立ち向かうための循環器・腎臓・高血圧内科学教室としての到達目標として、創出、実践、思いやりの3つを中心に挙げたいと思います(図4)。
1)研究:病態の本質解明と診断・治療・予防法の『創出
2)臨床:科学的根拠と患者視点を両立させ、病態連関制御を念頭においた個別的な高度先進医療の『実践
3)教育:『思いやり』を持ち、病態の本質を究め、国際性に富む医療人の育成
4)大学・地域貢献:YCUミッション・基本方針、医療政策連携に基づく地域医療貢献
(図4)

これらでもって、高価値の研究成果、最適な医療、優秀な人材を継続的に提供することを通じて、患者さん・社会に種々の成果を還元する、つまり、 ”From molecules to the whole body, and to the Society”の実現をめざしていきたいと考えます。

1853年黒船来航の横浜・神奈川の歴史に根ざす「門戸開放」、サイエンス・アカデミアの高みをめざす「研究重視」、地域貢献重点の「患者第一」、 を理念としています当教室では、広く全国の医学生や初期・後期研修医の諸君の積極的な参加・入局をお待ちしています。
また、関係各位におかれましては、今後とも一層のご指導ご鞭撻をいただきたく何卒よろしくお願い申し上げます。

令和4年9月吉日

横浜市立大学医学部 循環器・腎臓・高血圧内科学 主任教授
横浜市立大学大学院 医学研究科 病態制御内科学 大学院教授
横浜市立大学附属病院 副病院長

田村功一

経歴

昭和57年3月筑波大学附属駒場高校卒業
昭和63年3月横浜市立大学医学部卒業
昭和63年6月横浜市立大学医学部病院研修医(第2内科,第1外科)
平成元年6月済生会横浜市南部病院研修医(循環器内科),横浜市立市民病院研修医(麻酔科)
平成2年6月横浜市立大学医学部内科学第2講座(石井當男教授)入局
平成3年4月筑波大学大学院農学研究科特別研究学生(応用生物化学系 村上和雄教授)
平成6年3月横浜市立大学大学院医学研究科修了(優秀論文賞受賞),博士号(医学)取得
平成6年4月日本学術振興会特別研究員(PD)
平成8年6月横浜市立大学医学部附属病院第2内科助手
平成10年7月日本学術振興会海外特別研究員、Cardiovascular Research, Brigham & Women's Hospital,
Harvard Medical School [Professor Victor J Dzau;現在 米国医学アカデミー(NAM)会長]
平成12 年6月藤沢市民病院腎臓科医長
平成14年4月横浜市立大学医学部内科学第2講座助手
平成16 年4月横浜市立大学医学部附属病院第2内科講師
平成17 年4月横浜市立大学医学部附属病院 腎臓・高血圧内科講師
平成18 年4月横浜市立大学医学部循環器・腎臓内科学準教授
平成19 年4月横浜市立大学医学部循環器・腎臓内科学准教授(職位名変更による)
平成22年8月横浜市立大学先端医科学研究センターサブプロジェクトリーダー(兼務)
平成28年10月横浜市立大学医学部循環器・腎臓内科学主任教授
(医学研究科病態制御内科学大学院教授、附属病院腎臓・高血圧内科診療科部長)
平成29年7月横浜市立大学医学部循環器・腎臓・高血圧内科学主任教授
(教室名変更による)
(医学研究科病態制御内科学大学院教授、附属病院腎臓・高血圧内科診療科部長)
平成30年4月横浜市立大学附属病院副病院長/附属病院患者サポートセンター長(兼務)
令和2年7月神奈川モデル-ハイブリッドCOVID-19透析版KINTONE 調整機関責任
コーディネーター
令和3年3月横浜市立大学大学院医学研究科 YCU病院経営プログラム 修了
令和3年4月横浜市立大学大学院国際マネジメント研究科 博士前期課程(SIMBA) 社会人 特別選抜 入学

学会専門医・指導医・医療資格

日本内科学会認定内科医・総合内科専門医・指導医、日本腎臓学会腎臓専門医・認定指導医、
日本循環器学会認定循環器専門医、日本内分泌学会内分泌代謝科(内科)専門医・内分泌代謝科指導医、日本老年医学会認定老年科専門医・認定指導医、日本透析医学会専門医・指導医、日本高血圧学会高血圧専門医・高血圧指導医、日本アフェレシス学会認定血漿交換療法専門医、日本脈管学会認定脈管専門医、診療情報管理士(HIM)

学会活動 (学会役員・委員・フェロー・国際学会)、研究会世話人、政策連携(自治体委員等) 等

日本内科学会(評議員、医療安全委員会委員)、
日本腎臓学会(理事、評議員; 基幹委員会: 総務委員会委員長、学会あり方委員会副委員長、学術委員会副委員長、編集委員会委員; 理事長直轄 重点事業委員会: COVID-19対策小委員会委員長、腎臓病データベース小委員会委員、腎臓病バイオバンク構築委員会委員; 小委員会: 総務委員会所管個人情報保護委員会委員長、学会あり方委員会所管評議員候補者選考委員会委員、企画・渉外委員会所管医事委員会委員、学術委員会所管: CKD 診療ガイドライン改訂準備委員会作成委員; 日本脳心血管病協議会委員)、
日本循環器学会 [代議員(社員)、フェロー(FJCS)、脳卒中と循環器病対策基本法施行に伴う循環器病対策推進委員会(神奈川県担当)副委員長、循環器病ガイドラインシリーズ作成班班員、関東甲信越支部監事・評議員]、
日本老年医学会(代議員)、
日本内分泌学会(評議員)、
日本高血圧学会[理事、評議員、フェロー(FJSH)、総務・財務委員会委員長、倫理委員会委員、Hypertension Research編集委員会委員、国際高血圧学会(ISH)2022京都開催実行委員会-財務サブグループ委員]、
日本心血管内分泌代謝学会(理事、評議員)、
日本抗加齢医学会(評議員)、
日本透析医学会(評議員、腎不全総合対策委員会委員)、
日本アフェレシス学会(評議員)、
日本心臓病学会[代議員(社員)、フェロ-(FJCC)]、
日本腫瘍循環器学会(評議員)、
日本脈管学会(評議員)、
脳心血管抗加齢研究会(世話人、評議員)、
日本Uremic Toxin研究会(世話人)、
米国内科学会フェロー (FACP)、
米国心臓協会フェロー (FAHA)、
米国腎臓学会会員 (ASN)、
国際腎臓学会会員 (ISN)、
国際高血圧学会フェロー (ISHF)、
日本腎臓病協会(JKA)理事・慢性腎臓病対策部会(J-CKDI)神奈川県代表、
神奈川県透析施設連絡協議会理事、
神奈川県慢性腎臓病(CKD)対策連絡協議会構成員、
神奈川県慢性腎臓病(CKD)診療連携構築協議会委員、
神奈川医学会幹事、
横浜内科学会特別幹事、
神奈川腎研究会(第8代会長)、
横浜CKD連携協議会(代表世話人)、
神奈川循環器睡眠障害研究会(代表世話人)、
横浜・湘南 腎・透析セミナー(代表世話人)、
神奈川循環器救急研究会(財団理事)、
神奈川循環器救急とRegistryを考える会(世話人)、
神奈川腎炎研究会(世話人)、
神奈川心不全研究会(世話人)、
神奈川循環器フォーラム(世話人)、
膠原病の腎障害研究会(世話人)、
Atherosclerosis & Cardiovascular Research Conference(ACRC)(世話人)、
COVID-19神奈川モデル-ハイブリッド透析版KINTONE 調整機関責任コーディネーター、
日本医療政策機構(HGPI)『腎疾患対策推進プロジェクト「患者・市民・地域が参画し、協働する腎疾患対策に向けて」』アドバイザリーボード・メンバー、他

診療ガイドライン作成委員会

日本高血圧学会 高血圧治療ガイドライン2009 (JSH2009)
日本腎臓学会CKD診療ガイド2012
日本腎臓学会エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2013
日本高血圧学会 高血圧治療ガイドライン2014 (JSH2014)
日本内分泌学会 臨床重要課題「わが国の原発性アルドステロン症の診療に関するコンセ ンサス・ステートメント」(2016年)
高血圧治療ガイドライン2019 (JSH2019)
日本内分泌学会臨床重要課題 原発性アルドステロン症診療ガイドライン(2021年)
日本循環器学会 冠動脈疾患の一次予防に関する診療ガイドライン2023(予定)
日本腎臓学会 エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023(予定)

編集委員

Hypertension Research編集委員(日本高血圧学会Official Journal,平成25年1月〜現在)
Hypertension Research, Associate Editor(日本高血圧学会Official Journal,令和3年1月〜現在)
Kidney International Reports編集委員(国際腎臓学会Official Journal,平成28年1月〜現在)
Journal of Hypertension編集委員(国際高血圧学会Official Journal,平成29年1月〜令和2年12月)
Journal of Clinical Hypertension編集委員(Official Journal of the World Hypertension League, 令和2年5月〜現在)
Circulation Journal, Associate Editor(日本循環器学会Official Journal,令和4年7月〜現在)
Journal of the Japan Medical Association and the Japanese Association of Medical Sciences(JMA Journal)編集 委員(日本医師会・日本医学会Official Journal,令和4年8月〜現在)
Clinical and Experimental Nephrology, Associate Editor(日本腎臓学会Official Journal,令和4年9月〜現在)
科学評論社-月刊『循環器内科』編集委員、メディカルレビュー社-『Cardio-Renal Diabetes』編集アドバイザー、他

主な受賞歴

  • The Young Investigator Travel Award of the 15th Scientific Meeting of the International Society of Hypertension(平成6年)
  • 横浜市立大学 大学院医学研究科優秀論文賞(平成6年)
  • 横浜市立大学 医学研究奨励賞(平成6年)
  • 公益財団法人 上原記念生命科学財団 研究奨励助成(平成8年)
  • 公益財団法人 金原一郎記念医学医療振興財団 第11回研究交流助成(平成8年)
  • 公益財団法人 金原一郎記念医学医療振興財団 第12回基礎医学医療研究助成(平成9年)
  • 日本心血管内分泌代謝学会 若手研究奨励賞(平成12年)
  • 第7回日本心臓財団・ゼリア新薬工業 分子循環器研究助成(平成13年)
  • 財団法人かなえ医薬振興財団 第30回かなえ医薬振興財団研究助成(平成13年)
  • 横浜市立大学 医学会賞(平成13年)
  • 第11回日本心臓財団『高血圧・高脂血症と血管代謝研究会』 最優秀賞(平成15年)
  • 横浜総合医学振興財団 推進研究助成(平成15,16,17,19,20,21年)
  • 公益財団法人 武田科学振興財団 医学系研究奨励助成(平成16,20年)
  • 公益財団法人 先進医薬研究振興財団 循環医学分野研究助成(平成16,21年)
  • 木村記念循環器財団 循環器病研究助成『交感神経と高血圧・メタボリックシンドローム研究会』最優秀賞 (平成17年)
  • 日本脈管学会総会 徹底討論 最優秀賞(平成17年)
  • 日本心血管内分泌代謝学会 高峰譲吉研究奨励賞(平成20年)
  • Publication Committee, ACP Japan Chapter. Evergreen Award of American College of Physicians for Translation of Annals of Internal Medicine(平成20年)
  • 神奈川県CAPD研究会 最優秀演題賞(平成22年)
  • 日本老年医学会・ノバルティス老化および老年医学研究基金 2012年度(第26回)研究助成受賞(平成24年)
  • Special Travel Grant of the 24th Scientific Meeting of the International Society of Hypertension(平成24年)
  • 地域医学研究基金『腎疾患と高血圧研究会』最優秀研究賞(平成25年)
  • 公益財団法人 ソルト・サイエンス研究財団 一般公募研究助成(平成21,22,23,26,29年) 
  • 公益財団法人 上原記念生命科学財団 研究助成(平成29年) 
  • 公益財団法人 ソルト・サイエンス研究財団 医学分野プロジェクト研究助成(平成30年~)
  • 第60回神奈川医学会総会・学術大会(神奈川県医師会) 川口賞 (平成30年)
  • 循環器・腎臓・高血圧内科学教室の研究について

     循環器・腎臓・高血圧内科学教室が対峙し,互いに密接に関連している高血圧,心血管病,腎臓病.
    これら三大国民病をそれぞれ別個の疾患として対応するのではなく,一体的に“心血管腎臓病(病態連関病)”として捉え,各病態に対する個別的対応ではなく,”心血管腎臓病(病態連関病)”に対する包括的対応の向上を目的とした,基礎研究,トランスレーショナル研究,及び,臨床研究を,教員,指導診療医,大学院生が一体となって推し進めています.

     また,学内の基礎系・臨床系教室,附属病院部門,先端医科学研究センター,次世代臨床研究センター(Y-NEXT)等とも積極的に共同研究や連携を図り,最新の解析技術も積極的に取り入れながら研究を展開しています.
    さらに,本学における「国際化」推進のために教室若手の海外研究成果発表や海外研究室留学も推奨・支援しています.

     当教室には附属病院診療科では循環器内科,腎臓・高血圧内科に所属する複数の研究グループがあり,お互いに協力し合いながら,基礎研究では特定の遺伝子や機能分子に着目し,また,トランスレーショナル研究・臨床研究では先進医療や独自性の高い診断技術・治療法に取り組みながら,ともに“心血管腎臓病(病態連関病)すべてに克つ”ための独創性の高い研究を遂行しており,各研究グループからは数多くの英文学術雑誌,国内外の学会・研究会での研究成果発表実績があります.
    そして,主任教授がこれら研究グループによる研究活動を統括しています.
    詳細につきましては,各研究グループについての説明をご覧いただければ幸いです.

    循環器・腎臓・高血圧内科学教室の教育について

     “心血管腎臓病(病態連関病)”に対峙する教室としての教育のモットーは,
    1)科学的根拠に基づく専門教育と領域横断的な臓器連関教育
    2)複数のキャリアパス設定による基礎系・臨床系教室とも連携した研究指導・臨床教育
    です.

    1. 学部教育(講義・研究実習)
       心血管腎臓病分野(循環器内科学, 腎臓内科学, 基本的診療技能)を担当しています.
      また,研究実習(リサーチ・クラークシップ) におきましても医学基盤部門委員会を通じて能動的学習を推進し,実習医学生による学会での研究成果発表を推奨しています.

    2. 学部教育(病棟実習)
       病棟実習部門委員会を通じて「屋根瓦方式」での診療参加型臨床実習(クリニカル・クラークシップ)を推進しています.
      実習では,患者に対し, “Student Doctor”として指導医による指導・監督のもと, 「レベル1」水準の医行為実践による実習も推進しており,臨床実習の教育効果や医学生の達成感の向上に結びついています.
      さらに本学における「国際化」の方針を推進すべく,時間帯の英語使用を義務付けた「English Presentation Session」を開始するなど種々の先進的な取り組みを行っています.

    3. 初期研修医教育
       臨床研修委員会との連携のもと, 心血管腎臓病分野の専門医が,科学的根拠に基づく診療と患者個人毎の真の問題を捉える医療を教育・指導しており,症例報告などの学会発表も積極的に参加していただいています.

    4. 大学院・教室員への教育・研究指導
       当教室には毎年多くの博士課程(医学)の大学院生が入学し,各人の希望を尊重して各研究グループに所属して,基礎研究,トランスレーショナル研究,臨床研究(観察研究,介入研究)に携わっています.
      大学院生は附属病院・センター病院所属にかかわらず,大学院生対象の研究カンファランスにおいて定期的に主任教授による研究指導を受けており,大学院生筆頭著者の英文原著論文も数多く刊行され,本学の大学院優秀論文賞,国際・国内学会Grant/Award, 国際・国内研究会優秀賞・奨励賞などの受賞者も多数輩出しています.

    循環器・腎臓・高血圧内科学教室の臨床について

    “心血管腎臓病(病態連関病)”に対峙する教室としての臨床・診療のモットーは,
    1)循環器・腎臓・高血圧専門医として, 心血管腎臓病に対する高度先進医療の実践と研究への展開
    2)個人の病態評価に基づく治療効果の最適化
    です.
    1. 附属病院での循環器・腎臓・高血圧内科学教室としての臨床の特色  心血管腎臓病分野を中心に領域横断的な専門性を活かした高度先進医療を推進しています.
      そのために,附属病院では,循環器内科/循環器病センター内科部門と腎臓・高血圧内科/血液浄化センターとの密接な連携診療による心血管腎臓病に対する効率的な高度専門医療体制を構築しています.

    2. 高血圧学会発祥の教室としての伝統に基づく専門性の高い高血圧診療  当教室の三代前の旧第二内科教授の故金子好宏名誉教授らが日本高血圧学会を創立しました (1978年). そして,その後の歴代の当教室教授を経て受け継がれている臨床高血圧学の伝統に裏打ちされた高血圧に対する専門的診断・治療を展開しています.

    3. 臨床の外部への発信  心血管腎臓病分野を中心に診療ガイドライン作成・普及に積極的に参加しております.
      例えば,これまでにガイドライン作成委員会活動を通じて,日本腎臓学会関係(慢性腎臓病診療ガイドライン2009,慢性腎臓病診療ガイド2012,慢性腎臓病診療ガイドライン2013),日本内分泌学会関係(わが国の原発性アルドステロン症の診療に関するコンセンサス・ステートメント2016),日本高血圧学会関係(高血圧治療ガイドライン: JSH2009,高血圧治療ガイドライン: JSH2014)などの診療ガイドライン作成に関わっています.

    4. 臨床の三本柱について
       心血管腎臓病に立ち向かうための臨床の三本柱として,
      1. EBM (Evidence Based Medicine)
         科学的根拠に基づく診断・治療方針による診療(診療ガイド ライン重視)

      2. NBM (Narrative Based Medicine)
         患者個人毎の真の問題を捉える診療(多職種チーム医療重視)

      3. テーラーメード医療 (Tailor-made Medicine)
         個人の病態評価に基づく治療効果の最適化を図る診療(分子病態診断,臨床病態診断)

      を中心として,附属病院各診療部門・中央部門,医学部基礎系教室,先端医科学研究センター,次世代臨床研究センター(Y-NEXT)との密接な連携のもと,領域横断的な臓器連関制御治療を含めた心血管腎臓病に対する高度先進医療を教室員が一体となって推進しています.

    循環器・腎臓・高血圧内科学教室の大学附属2病院体制と協力施設の紹介について

    (1)2つの大学病院

     横浜市立大学の病院には、金沢区福浦の医学部附属病院と南区浦舟町の市民総合医療センターがあります。
    大学附属2病院を合わせると合計1300床以上のベッド数となり、スケールメリットを生かした両病院の一体的運営に循環器・腎臓・高血圧内科学教室は重要な役割を果たしています。
    また、本学の運営方針に従いまして、附属福浦病院と市民総合医療センター病院の2病院間では循環器内科と腎臓・高血圧内科の診療と研究の専門性におきまして、 ある程度の機能の分担と密接な連携体制を構築しています。

    循環器内科の診療に関しては、附属福浦病院の循環器内科(循環器内科ホットライン: 045−787−2999)では不整脈、重症心不全、肺高血圧症(県内で有数の施設)、成人先天性心疾患治療を中心とした高度医療を重点的に進めています。
    また、2017年2月から、循環器内科・心臓血管外科・小児循環器・MEセンター・心臓リハビリ部門など多職種が1つのチーム としてさまざまな循環器疾患の患者の診療にあたるシステムを特徴とする『循環器病センター』が立ち上がりました。
    循環器病センターでは、肺高血圧症・末梢動脈疾患・虚血性心疾患に対する先進的カテーテル血管内治療、不整脈疾患に対する先端的アブレーション治療、重症心不全に対する両心室ペーシング(CRTD)・補助人工心臓(LVAD)治療・インペラ(IMPELLA)補助循環用ポンプカテーテル治療、成人先天性心疾患治療、循環器リハビリテーション、再生医療などを積極的に担っております。
    市民総合医療センター病院は、高度救命救急センターが完備して循環器救急体制が充実しており、心臓血管センター内科部門(直通ホットライン: 045ー253ー5729)では、急性心筋梗塞などの急性冠症候群(ACS)、不整脈、心不全の診療を中心に推進しています。
    さらにハイブリッド血管造影・手術室も完備しており、心臓血管センター外科部門・麻酔科・中央部門等に御指導・御協力いただきながら、TAVI(経カテーテル大動脈弁治療)、経カテーテル僧帽弁接合不全修復術(MitraClip)を中心にSHD(Structural Heart Disease)に対する高度先進的カテーテル治療も推進しています。

    健康長寿のさらなる向上が益々求められている中、糖尿病、高血圧、腎臓病とそれらの病態連関機序により引き起こされる認知症や脳心血管病(脳卒中・循環器病)の克服は重要課題の一つです。
    そのような中、循環器関連15学術団体や3患者団体などで構成される「脳卒中・循環器病対策基本法の成立を求める会」によって参議院議員会館にて平成30年11月21日に開催された集会は、 一同に会した関係各位の熱意で満ち溢れ、出席者の一人として非常に感動したことは決して忘れられません。
    その後法案は平成30年12月10日の衆議院本会議において全会一致で可決されて成立し、いよいよ令和元年12月1日に「健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、 心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法」として施行されました。
    今後は厚労省、自治体、学会、医師会などが密接に連携しての包括的脳心血管病対策のさらなる推進が期待される状況です。
    そのため、脳卒中と循環器病対策基本法施行にともない、当教室も日本循環器学会の循環器病対策推進委員会を中心に関連学会、 省庁、医師会、自治体との連携強化も重視し積極的にかかわっていく方針です。

    腎臓・高血圧内科の診療についても、附属福浦病院と市民総合医療センター病院とである程度の機能分担と診療・研究連携の体制を構築しており、両病院とも救急疾患(腎臓・高血圧内科 ホットライン: 090−8045−5665)も含め幅広く対応しています。
    主な疾患として急性腎障害、慢性腎臓病(透析導入と合併症治療)、腎移植治療(市大センター病院)、腎不全療法選択(血液・腹膜透析、腎移植)、腎炎・ネフローゼ、血管炎・膠原病、血漿交換吸着嚢胞性腎疾患(多発性嚢胞腎)、治療抵抗性・二次性高血圧、などが挙げられます。

    また、循環器・腎臓・高血圧内科学教室の特色を活かし高度先進医療を展開しており、腎臓・高血圧内科と循環器内科との密接な連携による高度専門治療の例として、(1) 厚労省先進医療B『正コレステロール血症を呈する従来治療抵抗性閉塞性動脈硬化症に対するLETS-PAD研究』を全国唯一の施設として実施、(2) 治療抵抗性高血圧に対する腎デナベーション国際共同治験、などがあります。

    さらに、「アカデミアの高みをめざす」教室として、関連学会・AMEDとの連携事業である、(1) AMED関連研究事業: ICT/IoTを活用糖尿病性腎臓病治療戦略研究(AMED-ICT-DKD研究)、難治性副腎疾患の診療に直結するエビデンス創出研究(AMED-JRAS研究)、腎疾患ゲノム医療実現推進研究事業(AMED-GRIFIN研究)に参画しています。
    腎臓・高血圧内科領域の国内・国際共同治験にも参加しており、慢性腎臓病・糖尿病性腎臓病・IgA腎症などの新規治療薬開発にもかかわっています。

    日本腎臓学会(JSN)・日本腎臓病協会(JKA)・神奈川県慢性腎臓病対策連絡協議会とも密接に連携しての腎疾患に関する地域貢献事業にも力を入れております。
    例えば、2018年7月に厚生労働省健康局がん・疾病対策課から、「腎疾患対策検討会報告書~腎疾患対策の更なる推進を目指して~」が発出され、当教室では、日本腎臓学会・日本腎臓病協会(JKA)各自治体と連携してのCKD対策事業にも力を入れています。
    神奈川県では東海大学医学部内科学系 腎内分泌代謝内科 教授 深川雅史 先生、昭和大学横浜市北部病院内科・客員教授 衣笠えり子 先生、当教室主任教授 田村功一 が連携し、日本腎臓病協会(JKA)・慢性腎臓病対策部会(J-CKDI)神奈川県代表として、神奈川県健康医療局保健医療部がん・疾病対策課、神奈川県医師会他と連携して包括的なCKD対策のさらなる向上をめざしています。


     附属福浦病院(循環器内科/循環器病センター内科部門、腎臓・高血圧内科/血液浄化センター)、および市民総合医療センター病院(心臓血管センター内科部門、腎臓・高血圧内科/血液浄化療法部)における当教室の診療科の運営にあたっては、
    1)患者視点、医療政策に基づく, 最適な高度先進医療の実践
    2)心血管腎臓病の医療を担う人材の育成
    3)研究・教育・臨床のバランスと個性・多様性の重視
    4)若手のやる気、中堅の成長、ベテランの飛躍の支援
     を推進していきます。

     また、教室全体の運営については、心血管腎臓病に立ち向かうため、循環器内科、腎臓・高血圧内科が一体となり、大学附属2病院に加えて27協力施設(からさらに増加中)へ循環器内科、腎臓・高血圧内科合わせて200名以上の教室員が常勤医師スタッフとして勤務しており、毎年本学をはじめ多くの大学から10-20名程度の新しい教室員の先生方を迎え入れています。

     循環器・腎臓・高血圧内科学教室の教室員数は300名以上,教室員と同門会員を合わせた総数は約600名以上となります。
    そして、関連する各施設では、それぞれの専門医が連携して診療に力を尽くし、また大学附属2病院と連携して、臨床研究を一体となって推進するなど、地域医療の維持・発展、および臨床におけるエビデンス構築の推進に大きく貢献しています。
    さらには、国内外の臨床・研究施設(国立循環器病研究センター、シンガポール国立大学-Duke大学共同医学大学院など)での研修・留学、あるいは本学との正規の人事交流制度を活用しての厚生労働省(医系技官)、国立研究開発法人日本医療研究開発機構,AMED)(正規職員)での一定期間の勤務の選択肢もあり、診療手技研修、臨床・基礎研究、行政・政策連携を含めた幅広い経験を積むことが可能です(図5)。

     これからも新専門医制度対応の指導体制・専門医教育、および複数キャリアパス, 十分な意思疎通に基づき、本学の基礎系・臨床系教室,大学附属2病院、27協力施設(プラスα)、国内外の人事交流・研修・留学先施設と密接に連携した研究指導・臨床教育・領域横断的診療をさらに推進していきます。
    (図5)

    大学附属2病院および協力施設,人事交流・研修・留学先施設の例(令和2年7月現在):

    1)横浜市
  • 福浦附属病院  http://www.yokohama-cu.ac.jp/fukuhp/
  • 市民総合医療センター病院  http://www.yokohama-cu.ac.jp/urahp/
  • 神奈川県立循環器呼吸器病センター  http://junko.kanagawa-pho.jp
  • 済生会横浜市南部病院  http://www.nanbu.saiseikai.or.jp
  • 国家公務員共済組合連合会横浜南共済病院  http://www.minamikyousai.jp
  • 国立病院機構横浜医療センター  http://www.yokohama-mc.jp
  • 横浜保土ケ谷中央病院 - 地域医療機能推進機構(JCHO)  http://hodogaya.jcho.go.jp
  • 国際親善総合病院  https://shinzen.jp
  • 神奈川県立こども医療センター  http://kcmc.kanagawa-pho.jp/outpatient/index.html
  • 神奈川県立がんセンター  http://kcch.kanagawa-pho.jp
  • 横浜市立脳卒中
  • 神経脊椎センター  http://www.city.yokohama.lg.jp/byoin/nou/
  • 長津田厚生総合病院  http://www.nagatsuta-ks-hp.or.jp
  • 国家公務員共済組合連合会横浜栄共済病院  http://www.yokohamasakae.jp
  • 横浜中央病院 - 地域医療機能推進機構(JCHO)  http://yokohama.jcho.go.jp
  • 横浜じんせい病院  http://www.yokohamajinsei.com
  • 独立行政法人 労働者健康安全機構 横浜労災病院  https://www.yokohamah.johas.go.jp
  • 横浜市立市民病院  https://yokohama-shiminhosp.jp/index.html

  • 2)神奈川県
  • 藤沢市民病院  http://www.city.fujisawa.kanagawa.jp/hospital/
  • 横須賀市立市民病院   http://www.jadecom.or.jp/jadecomhp/yokosuka-shimin/html/
  • 国立病院機構相模原病院  http://www.hosp.go.jp/~sagami/
  • 秦野赤十字病院  http://hadano-jrc.jp
  • 神奈川県立足柄上病院  http://ashigarakami.kanagawa-pho.jp
  • 藤沢湘南台病院  http://www.fj-shonandai.jp
  • 茅ヶ崎市立病院  http://hosp.city.chigasaki.kanagawa.jp
  • 大和市立病院  http://www.yamatocity-mh.jp
  • 横須賀市立うわまち病院   http://www.jadecom.or.jp/jadecomhp/uwamachi/html/

  • 3)東京都,静岡県
  • 大森赤十字病院  http://omori.jrc.or.jp
  • 国際医療福祉大学熱海病院  http://atami.iuhw.ac.jp
  • 日本赤十字社医療センター  http://www.med.jrc.or.jp

  • 4)人事交流・研修・留学先施設の例
  • 厚生労働省  http://www.mhlw.go.jp
  • 国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)  http://www.amed.go.jp
  • 国立循環器病研究センター  http://www.ncvc.go.jp/res/
  • シンガポール国立大学-Duke大学共同医学大学院 (Duke-NUS Medical School) https://www.duke-nus.edu.sg/cvmd/
  • ストラスブール大学  http://www.chru-strasbourg.fr/poles/Activite-medico-chirurgicale-cardio-vasculaire/Cardiologie-NHC
  • ニューヨーク マウントサイナイ病院 https://www.mountsinai.org/locations/beth-israel
  • テンプル大学 https://medicine.temple.edu/departments-centers/research-centers/cardiovascular-research-center/faculty
  • 群馬県立心臓血管センター 循環器内科  http://www.cvc.pref.gunma.jp
  • 徳島大学医学部循環器内科学  http://square.umin.ac.jp/TOKUSHIM/
  • 福島県立医科大学 会津医療センター 漢方内科/糖尿病・内分泌代謝・腎臓内科 https://www.fmu.ac.jp/amc/
  • 東京大学大学院医学系研究科 医療品質評価学講座 http://hqa.umin.jp




  • 初期研修医ご希望の方へ

    内科学は医学-医療の基本かつ必須の学問であり,全ての研修医にとって必修であるのは言うまでもありません.

     私どもの循環器・腎臓・高血圧内科学教室に関連する代表的な疾患は,高血圧,脳心血管病,腎臓病です.
    国内での高血圧の罹患患者数は4300万人で成人の2.5人に1人,また,心・脳血管疾患による10万人当たり死亡数は250人で悪性新生物の280人に匹敵し,さらに慢性腎臓病の罹患患者数も1330万人で成人の8人に1人になり,三大国民病に対峙していると言っても過言ではありません.
    そして,高血圧,脳心血管病,腎臓病の三つの病態は互いに密接に関連し,同じ患者さんに併存する場合が多いことが特徴です.
    よって,これら三つの病態は一体的に”心血管腎臓病(病態連関病)”として捉えるべきであり,各病態に対する個別的対応ではなく,”心血管腎臓病(病態連関病)”に対する包括的対応こそが重要であると考えます.

     その点,循環器・腎臓・高血圧内科学教室(循環器内科,腎臓・高血圧内科)での研修で経験する疾患範囲は“心血管腎臓病”を中心に広範囲であるのみならず,プライマリーケア的内容から専門分野まで広く学ぶことができます.
    したがって厚労省で指定している研修項目が広く経験でき,研修効果の高い研修ができるという特徴があります.

     循環器・腎臓・高血圧内科学教室(循環器内科,腎臓・高血圧内科)で研修することにより,医師、内科医としての基礎を身に付けられるように,初期研修システムを作成しました(本学の臨床研修制度では,一定期間毎に循環器内科,腎臓・高血圧内科のどちらかを選択して臨床研修を行っていただきます).
    多くの初期研修医の方々に,是非実際に当教室での研修を行っていただければと思います.
    皆様の若きエネルギーに応える研修体制でお待ちしています.

    入局/後期研修ご希望の方へ

     循環器・腎臓・高血圧内科学教室(循環器内科,腎臓・高血圧内科)では,医学部卒業後2年以上の初期臨床研修を終えられた方の大学院入学,後期専門研修,入局者を募集します.
    大学院に入学希望される方は勿論のこと,そのまま後期専門研修医として循環器・腎臓・高血圧内科教室に入局する方も歓迎いたします.

     神奈川県は対人口あたりの医師数が東京都に比べて少ないためポストが豊富にあり,将来性が高いと言えます.
    関連・協力病院の多くは神奈川県内基幹病院ですので,自宅からの通勤が可能です.

     循環器・腎臓・高血圧内科学教室(循環器内科,腎臓・高血圧内科)として男女共同参画を推進し,また,出産・育児時期の女性医師支援のため,勤務時間や負担を少なくしたワークシェアリング可能な関連病院も用意されています.
    従って,循環器・腎臓・高血圧内科学教室(循環器内科,腎臓・高血圧内科)の教室員となった医師の満足度は高く,教室をやめる方が極めて少ないのが特徴です.

     入局者も全国60以上の大学出身者から構成されています.
    当科ではすべての医局員がすぐれた臨床能力をもち,さらにすぐれた研究者であることをモットーに,入局希望者には内科医として大学病院または一般病院で臨床研修をしていただくことを基本としています.
    またこれが達成できるようなシステムが出来上がっています.

     一般的には,入局後,大学または基幹病院で1~3年の周期で後期専門研修を行っていただき,様々な疾患,病態,手技を身につけ,より完成された医師となることを目標としています.
    また内科認定医,内科専門医をはじめとする各学会専門医の取得をしていただきます.
    将来的にはキャリアーを上げ,大学の教員職,総合病院の部長を目指すことも十分可能ですし,希望により開業することもできます.

     さらに,国内外の臨床・研究施設(国立循環器病研究センター,シンガポール国立大学-Duke大学共同医学大学院など)での研修・留学,あるいは,本学との正規の人事交流制度を活用しての厚生労働省(医系技官),国立研究開発法人日本医療研究開発機構,AMED)(正規職員)での一定期間の勤務の選択肢もあり,診療手技研修,臨床・基礎研究,行政・政策連携を含めた幅広い経験を積むことが可能です.

     是非,循環器・腎臓・高血圧内科学教室に入局され,ともに,高価値の研究成果, 最適な医療, 医療人としての飛躍・発展を通じて,患者さん・社会に種々の成果を還元する,つまり,”From molecules to the whole body, and to the Society”の実現を目指しましょう.

    大学院入学ご希望の方へ

    「大学院医学研究科 病態制御内科学」でともに研究し、ともにめざそう! “心血管腎臓病”病態連関制御を通じた“From molecules to the whole body, and to the Society”実現のための横浜・神奈川発のエビデンス創出

     循環器・腎臓・高血圧内科学教室(循環器内科、腎臓・高血圧内科)は、日本高血圧学会を今から30年以上前に創立し、初代会長をした金子好宏横浜市大名誉教授を始めとした歴史と伝統を有する教室です。
    その歴史的背景をもとに、現在では、当教室には附属福浦病院の循環器内科/循環器病センター内科部門、腎臓・高血圧内科/血液浄化センター、および市民総合医療センター病院の心臓血管センター内科部門、腎臓・高血圧内科/血液浄化療法部に所属する複数の研究グループがあり、お互いに協力し合いながら、基礎研究では特定の遺伝子や機能分子に着目し、また、トランスレーショナル研究・臨床研究では先進医療や独自性の高い診断技術・治療法に取り組みながら、ともに“心血管腎臓病(病態連関病)すべてに克つ”ための独創性の高い領域横断的な研究を遂行しています。

     したがって、実際の研究分野も基礎医学研究から臨床研究に至るまで、他方面にわたり、皆様の今後50年余にわたる医師人生の中の数年を費やすのに十分値する大学院です。
    自らの研究マインドの育成や隠れた能力を発見し、国外留学のきっかけをつかめる可能性があります。
    また、将来、臨床医となってもより信頼される基礎的思考のできる医師となれると思います。
    上記のような背景のもと臨床的問題点や患者さんの立場に立脚して基礎から臨床にわたるまで研究ができるのが、病態制御内科学の大学院の特徴です。
    循環器・腎臓・高血圧内科学教室(大学院医学研究科 病態制御内科学)の大学院にぜひ入局され、ともに、高価値の研究成果、最適な医療、医療人としての飛躍・発展を通じて、患者さん・社会に種々の成果を還元する、 つまり、“From molecules to the whole body, and to the Society”の実現をめざしましょう。

    大学院入学に関する問い合わせ先

    田村 功一  
    Kouichi TAMURA, MD, PhD, FACP, FAHA, FJSIM, FJCS, FJCC, FJSH

    横浜市立大学医学部 循環器・腎臓・高血圧内科学 主任教授
    横浜市立大学大学院医学研究科 病態制御内科学 大学院教授
    横浜市立大学附属病院 副病院長

    〒236-0004 横浜市金沢区福浦3-9
    横浜市立大学医学部 臨床研究棟 A棟3階 A365

    TEL: 045-787-2800/2635/2633 (MPS 6326)
    FAX: 045-701-3738


    (大学附属2病院の急患ホットライン)
    ・附属病院 循環器内科ホットライン: 045-787-2999
    ・附属病院 腎臓・高血圧内科 ホットライン: 045-787-2800 (内線MPS 5567)
    ・市民総合医療センター 心臓血管センター内科部門 直通ホットライン: 045-253-5729
    ・主任教授ホットライン (循環器・腎臓・一般): 090-8045-5665

    お問合せ

    横浜市立大学医学部 循環器・腎臓・高血圧内科学教室
    〒236-0004 横浜市金沢区福浦3-9 A365
    TEL:045-787-2635
    FAX:045-701-3738

    TOP